A9アルゴリズムを理解しよう:検索順位に影響する要素とは?

Amazonの検索結果順位を決定する仕組みとして知られるのが「A9アルゴリズム」です。
これはAmazon独自の検索アルゴリズムで、正確な内部仕様は公開されていませんが、数多くの実践とデータ分析から検索順位に影響する主要な要素が明らかになっています。初心者セラーでも押さえておきたいA9アルゴリズムのポイントを見てみましょう。
1. キーワードの関連性
ユーザーが検索ボックスに入力したキーワードと商品ページの内容(タイトル、説明、検索キーワード欄など)の関連性が最重要です 。適切なキーワードを設定していないと、そもそも検索結果に表示されません。商品タイトルや検索キーワード欄に商品の特徴やカテゴリに合った語句を入れることで、検索ヒットの可能性が高まります。
2. 販売実績(売上・販売件数)
最近の売上が好調な商品ほど上位に表示されやすい傾向があります。 Amazonは売れる商品を上位に上げてさらなる売上増を狙うため、直近の販売件数や売上額がランキングに反映されます。特に新規出品直後は販売実績がないため、SEOだけで上位表示は難しく、後述する広告などでテコ入れし販売件数を伸ばすことが有効です。
3. カスタマーレビュー(評価と件数)
商品のレビュー評価(星の数)やレビュー件数も重要な要素です。高評価かつレビュー件数が多い商品は信頼性が高く、コンバージョン率(購入率)も上がりやすいため、結果として検索順位も向上しやすくなります 。反対に評価が低かったりレビューが極端に少なかったりすると、購入率が下がり検索順位でも不利になる可能性があります。
4. 在庫状況
常に在庫があり即発送できる状態を保つことも大切です。商品が品切れになるとその間は出品停止となり、ランキングも大きく下落します。 在庫切れが頻発する商品は検索アルゴリズム上も不利とされます。常に在庫を切らさない管理がSEO対策の一環となります。
5. 価格とカートボックス獲得
同じような商品であれば価格が安い方がユーザーに選ばれやすく、販売実績にも直結します。適正で競争力のある価格設定は重要です。また、複数セラーがいる商品ではカートボックス(Buy Box)を取得していないと売上が立たず、SEO以前の問題となります。適切な価格設定とカートボックス獲得が、ランキング向上の前提条件です。
6. FBA(Fulfillment by Amazon)の利用
FBAを利用している商品、つまりプライム配送に対応している商品は、そうでない商品に比べて優遇される傾向があると言われます。プライム対応による配送スピードや信頼性が購入率を高め、結果としてランキングにも寄与します。また、FBA利用は在庫保管や出荷の健全性(在庫切れの少なさ、迅速な配送)にもつながり、総合的に評価が上がります。
7. CTR(クリック率)とCVR(コンバージョン率)
明確に公表はされていませんが、検索結果でどれだけクリックされているか(CTR)、商品ページ訪問者がどれだけ購入しているか(CVR)もアルゴリズムに影響する可能性があります 。CTRが高い=ユーザーの興味を引く商品であり、CVRが高い=ユーザーの期待に応える商品ページであると判断されれば、Amazonはその商品を上位に表示しやすくなります。
以上が主な検索順位に影響する要素です。
まとめると、「関連するキーワードを含み、適切な価格で在庫を切らさず、高評価を得ながら売上を伸ばしている商品」が上位表示されやすいということです。Amazonのアルゴリズムは常にユーザーに「売れる商品・求めている商品」を提示しようとしています。そのため、新米セラーの方は闇雲に対策するのではなく、上記のポイントに沿って商品ページを整備・改善していく必要があります。
なお、2020年頃からAmazonのアルゴリズムは「A10」にアップデートされたという話題もありました。A10では外部からの集客やブランド要素が重視されたとも言われますが、基本となる考え方(上述した要素)は大きく変わりません。まずはA9アルゴリズムの基本を理解し、その上でAmazon全体の方針変化にもアンテナを張ると良いでしょう。公式には詳細は明かされていないものの、Amazon SEOの王道は一貫しています。適切なキーワード×良質な商品ページ×安定した販売実績を積み上げることが、検索順位アップの鍵です。