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51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ

第9回:最終訓練と体力テスト

訓練の集大成、体力テストと総合訓練で実感した成長

予備自衛官補の訓練は、入所から最終日までめまぐるしく進んでいきます。座学、体力練成、行進、射撃と数々のプログラムを経て、いよいよ最後を飾るのが体力テスト総合訓練。これを無事にやり遂げれば、胸を張って「予備自衛官補の課程を修了した」と言えるのです。

💪1. 体力テストの意義

体力テストは単なるスポーツ競技ではありません。自衛官としての「最低限の基準」をクリアしているかを確認するものです。

実施される内容は年齢や性別によって基準が異なりますが、主に以下の種目が行われます。

  • 腕立て伏せ(回数)
  • 腹筋(回数)
  • 3km走(または持久走)
  • 握力測定

特に注目されるのが腕立て・腹筋・走力の3種目です。

🤲2. 腕立て伏せ

まずは腕立て伏せ。教官の「用意、始め!」の号令とともにスタート。胸が地面につくくらいまで下げなければカウントされません。

30代以下なら50回以上が目標。私のような50代では基準が少し下がるものの、それでも「正しいフォームで20回以上」は求められます。

腕や胸だけでなく、腹筋と背筋で体を一直線に保つ必要があるため、普段から鍛えていないと厳しい種目です。

💪腕立てのコツ

👉 腕立てで手首を痛めやすい人は リストバンド手首サポーター を持参すると安心です。

🔥3. 腹筋

次は腹筋。両手を頭の後ろで組み、足を仲間に押さえてもらいながら行います。「1分間で何回できるか」という測定方法が一般的です。

これが地味にきつい。20回を超えると呼吸が乱れ、30回を超える頃には腹が焼けるように痛みます。しかし仲間が横で「あと5回!」「頑張れ!」と声をかけてくれるので、普段以上の力が出せます。

🛡️腹筋で役立つアイテム

👉 ここで役立ったのが トレーニング用マット。硬い床に直接背中をつけると腰を痛めるので、薄い折りたたみ式マットを持っていくと快適です。

🏃4. 3km走

最大の山場が持久走。コースは駐屯地の外周などを利用し、3km前後を走ります。

スタート直後はみんな元気ですが、1kmを過ぎたあたりから体力差が露骨に出てきます。「やばい、足が重い」と思った瞬間にペースが落ち、後続に抜かれる人も。

私は50代ということもあり、最初から全力ではなく「最後まで走り切ること」を意識しました。呼吸は「スッスッ、ハッハッ」とリズムを崩さないのがコツ。

ゴールした瞬間の達成感は格別で、涙が出そうになったほどです。

👟持久走の必需品

👉 持久走では ランニングシューズ が命。支給の編上げ靴は重く、走るには不向きです。教官も「走りやすい靴でいい」と許可してくれるので、必ず持参しましょう。

🤜5. 握力測定

最後に握力測定。これは正直オマケ程度の位置づけですが、数値が低いと「日常的に鍛えていないな」と一目でわかってしまいます。それでも基準は高くなく、片手で30kg以上あれば十分です。

🎖️6. 総合訓練

体力テストの後には総合訓練が行われます。これまで習ってきた行進、整列、敬礼、声出し、小銃操作などを総合的に実施し、チームとしての完成度を試されます。

「気をつけ!」「回れ右!」「小銃構え!」――
号令のたびに全員が一糸乱れず動く姿は、数週間前のバラバラだった集団とはまるで別物。自分自身も「本当に自衛官補らしくなった」と実感できる瞬間でした。

7. 精神的な達成感

体力テストと総合訓練を終えたとき、心の底から「やり遂げた」という達成感に包まれます。最初は不安でいっぱいだった訓練生活も、仲間と共に乗り越えることで大きな自信につながりました。

🎒8. 訓練に役立った持ち物

体力テストや最終訓練で特に役立ったアイテムを改めてまとめます。

📈9. 「できない自分」からの成長

特に印象的だったのは、最初は全然できなかった仲間が、最後には基準をクリアしていたこと。人は環境と仲間に恵まれると、想像以上に成長できるのだと強く感じました。

私自身も「50代だから無理だろう」と思っていたのに、なんとか食らいつき、最後まで走り切れたことが大きな自信になりました。

まとめ

第9回では「最終訓練と体力テスト」をご紹介しました。予備自衛官補にとって大きな山場であり、心身ともに成長を実感できる瞬間です。大切なのは「完璧にこなすこと」ではなく、「最後まで諦めずに取り組むこと」。その経験が、これからの人生の糧になります。