体力テストは単なるスポーツ競技ではありません。自衛官としての「最低限の基準」をクリアしているかを確認するものです。
実施される内容は年齢や性別によって基準が異なりますが、主に以下の種目が行われます。
- 腕立て伏せ(回数)
- 腹筋(回数)
- 3km走(または持久走)
- 握力測定
特に注目されるのが腕立て・腹筋・走力の3種目です。
51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ
訓練の集大成、体力テストと総合訓練で実感した成長
体力テストは単なるスポーツ競技ではありません。自衛官としての「最低限の基準」をクリアしているかを確認するものです。
実施される内容は年齢や性別によって基準が異なりますが、主に以下の種目が行われます。
特に注目されるのが腕立て・腹筋・走力の3種目です。
次は腹筋。両手を頭の後ろで組み、足を仲間に押さえてもらいながら行います。「1分間で何回できるか」という測定方法が一般的です。
これが地味にきつい。20回を超えると呼吸が乱れ、30回を超える頃には腹が焼けるように痛みます。しかし仲間が横で「あと5回!」「頑張れ!」と声をかけてくれるので、普段以上の力が出せます。
👉 ここで役立ったのが トレーニング用マット。硬い床に直接背中をつけると腰を痛めるので、薄い折りたたみ式マットを持っていくと快適です。
最大の山場が持久走。コースは駐屯地の外周などを利用し、3km前後を走ります。
スタート直後はみんな元気ですが、1kmを過ぎたあたりから体力差が露骨に出てきます。「やばい、足が重い」と思った瞬間にペースが落ち、後続に抜かれる人も。
私は50代ということもあり、最初から全力ではなく「最後まで走り切ること」を意識しました。呼吸は「スッスッ、ハッハッ」とリズムを崩さないのがコツ。
ゴールした瞬間の達成感は格別で、涙が出そうになったほどです。
👉 持久走では ランニングシューズ が命。支給の編上げ靴は重く、走るには不向きです。教官も「走りやすい靴でいい」と許可してくれるので、必ず持参しましょう。
最後に握力測定。これは正直オマケ程度の位置づけですが、数値が低いと「日常的に鍛えていないな」と一目でわかってしまいます。それでも基準は高くなく、片手で30kg以上あれば十分です。
体力テストの後には総合訓練が行われます。これまで習ってきた行進、整列、敬礼、声出し、小銃操作などを総合的に実施し、チームとしての完成度を試されます。
「気をつけ!」「回れ右!」「小銃構え!」――
号令のたびに全員が一糸乱れず動く姿は、数週間前のバラバラだった集団とはまるで別物。自分自身も「本当に自衛官補らしくなった」と実感できる瞬間でした。
体力テストと総合訓練を終えたとき、心の底から「やり遂げた」という達成感に包まれます。最初は不安でいっぱいだった訓練生活も、仲間と共に乗り越えることで大きな自信につながりました。
特に印象的だったのは、最初は全然できなかった仲間が、最後には基準をクリアしていたこと。人は環境と仲間に恵まれると、想像以上に成長できるのだと強く感じました。
私自身も「50代だから無理だろう」と思っていたのに、なんとか食らいつき、最後まで走り切れたことが大きな自信になりました。
第9回では「最終訓練と体力テスト」をご紹介しました。予備自衛官補にとって大きな山場であり、心身ともに成長を実感できる瞬間です。大切なのは「完璧にこなすこと」ではなく、「最後まで諦めずに取り組むこと」。その経験が、これからの人生の糧になります。
👉 訓練に役立つ必須アイテムはこちらでチェック:
予備自衛官補 訓練に必要な持ち物リスト