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51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ

第4回:共同生活のリアルと人間関係の難しさ

大部屋での共同生活がもたらす精神的負担と人間関係の課題

予備自衛官補の訓練で、多くの人が最初につまずくのは「体力面」ですが、実はそれ以上に大きな壁となるのが共同生活の人間関係です。大部屋に10人前後が寝泊まりし、行動のすべてが集団で動く――これまで社会人として自由に生活してきた人にとっては、精神的にかなりの負担となります。

🏠1. プライベートゼロの大部屋生活

大部屋では二段ベッドが並び、常に誰かの気配があります。隣のベッドの人が寝返りを打てば音が響き、トイレに行く人がいればドアの開閉音が鳴り響く。スマホを触るのも制限があり、自由に使える時間はほぼありません。

社会人として一人暮らしや家族との生活に慣れていた人にとって、この「プライベートのなさ」は想像以上にストレスです。特に初めの1週間は「自由になりたい」という思いとの戦いです。

👂2. 音と匂いのストレス

共同生活で最も多いトラブルは音と匂い

😩よくあるトラブル

  • いびきが爆音すぎて眠れない
  • 夜中にトイレへ行く足音が気になる
  • 洗濯物の生乾き臭が部屋に充満する
  • 靴やブーツの臭いが強烈

これらは避けようがありません。耳栓アイマスクがなければ、眠れずに翌日の訓練に響きます。

私は「消臭スプレー」と「柔軟剤シート」を持ち込んだおかげで、多少快適に過ごせました。特に靴の中に柔軟剤シートを入れると、翌朝の臭いが和らぎます。

👥3. 年齢差と価値観のギャップ

部屋には10代後半の若者から50代の社会人まで幅広い世代が集まります。

⚖️世代別の特徴

  • 若者は体力抜群で元気だが、規律に慣れておらず注意されやすい
  • 中年層は体力に劣るが、礼儀や報告連絡がしっかりしている
  • 社会人経験が長い人は「合理性」を求めがちで、指導とのギャップに苦しむ

こうした年齢差や価値観の違いが、衝突の原因になることもあります。私の部屋でも、20代の学生とアラフィフのおじさんが「洗濯のやり方」で口論になり、一触即発でした。笑

洗濯機(昭和の3層式で汚い。むしろ汚れる気がするが、細かいことは気にしない)は一人利用は厳禁です。台数や時間も限られるので、必ずバディーと一緒にまとめて洗いましょう。

👑4. リーダー役とサポート役

班には必ず「まとめ役」が必要になります。自衛隊は上下関係が明確なので、自然と年上や社会人経験豊富な人がリーダー役を任されることが多いです。

ただし、リーダーが一人で抱え込むと負担が大きすぎます。サポート役をうまく配置し、班全体で協力する雰囲気を作れるかどうかが鍵です。

ここで役立つのが「声かけ」と「気配り」。小さなことでも「ありがとう」と言える人は、部屋全体の雰囲気を良くします。

⚠️5. トラブルを避けるコツ

共同生活のストレスを軽減するために、私が意識していたことは以下の通り:

ストレス軽減のポイント

  • ベッド周りは常に整理整頓(散らかすと不満の原因に)
  • 匂いケア(消臭スプレー必須)
  • 夜の物音に配慮(ドアは静かに閉める)
  • 愚痴は部屋ではなく外で話す
  • 相手の性格を早めに把握して距離感を調整

これらを徹底するだけで、人間関係の摩擦はかなり減ります。

🤝6. 仲間意識の芽生え

もちろん大変なことばかりではありません。共同生活を通じて「仲間意識」が芽生えていく瞬間もあります。

例えば、洗濯当番を手伝ってもらったり、夜に筋肉痛の話で盛り上がったり。最初は他人だった人たちが、数日で「戦友」に変わっていくのです。

特に一緒に走ったり、同じ罰を受けたりすると一体感が一気に高まります。「自分だけじゃない」という安心感が支えになります。

🎒7. 持ち物で変わる人間関係

意外なことに「持ち物」が人間関係を円滑にするきっかけになることもあります。

🤗人間関係を円滑にする持ち物

ちょっとした配慮やシェアが、班の空気を大きく変えるのです。

💡8. 共同生活から学んだこと

この大部屋生活で私が学んだのは、

📚共同生活の学び

  • 「我を抑える」こと
  • 「小さな配慮で大きな信頼を得られる」こと
  • 「人間関係の基本は相手を尊重すること」

社会に出ても役立つ、普遍的な教訓でした。

😰9. 精神的に辛くなったら

どうしても共同生活が辛いと感じたら、一人で抱え込まずに班長や仲間に相談することです。案外「自分も同じだよ」と言ってくれる人が多く、話すだけで気持ちが楽になります。

💪

辛いのは自分だけではありません。みんな同じ思いを抱えながら頑張っています。一人で悩まず、周囲に頼ることも大切なスキルです。

まとめ

共同生活は、予備自衛官補の訓練における「もうひとつの戦い」です。体力面よりも、むしろこちらのほうが精神的に堪える人も多いでしょう。しかし、この環境を乗り越えることで「協調性」「気配り」「忍耐力」が鍛えられます。