予備自衛官補体験談メイン画像

51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ

第3回:訓練2日目、早朝の号令と基礎体力測定

緊張と疲れの中で迎える本格的な自衛隊式生活のスタート

入隊初日の緊張と疲れで、ほとんど眠れなかった夜が明けます。まだ体も環境に慣れない中、2日目の朝は容赦なく訪れます。ここから本格的に「自衛隊式生活」のリズムが始まり、基礎体力測定という最初の大きな関門を迎えるのです。

🎺1. 起床ラッパと朝の号令

朝6時。ラッパの音が鳴り響き、部屋の灯りが一斉に点きます。眠気で頭が回らないまま、全員が飛び起きます。ここで「まだ寝たい…」と布団にしがみつく人は一人もいません。なぜなら、数秒の遅れでも容赦なく叱責されるからです。

布団をたたみ、制服に着替え、靴を履き、点呼に並ぶ。これを数分以内に終わらせる必要があります。予備自衛官補にとっては、この「朝のスピード感」に最初はついていくのが大変です。

📢2. 朝の点呼と号令の徹底

外に整列すると、班長の号令が飛びます。
「番号!」
「いち!に!さん!」と声を張り上げて番号を確認します。ここで声が小さいとすぐに指摘され、やり直し。朝から全員で大声を出すので、眠気は一気に吹き飛びます。

⚠️

特に2日目は「昨日教えたことができているか」の確認が徹底されるため、号令の姿勢、返事の声量、整列の間隔など、細かく注意されます。

🍽️3. 朝食と準備

点呼が終わると食堂へ移動し朝食です。献立はご飯・味噌汁・魚・卵焼きといった和食中心。栄養バランスは良いですが、スピード勝負。ゆっくり味わう余裕はなく、黙々と食べてすぐ片付けます。

このあと、基礎体力測定があると告げられ、緊張感が走ります。

📊4. 基礎体力測定とは?

予備自衛官補は、一般隊員と同じ基準で体力測定を行います。内容は以下の通り:

💪測定項目

  • 腕立て伏せ(制限時間内で何回できるか)
  • 腹筋(制限時間内で何回できるか)
  • 上体反らし
  • 反復横跳び
  • 3km走

この測定は「合否判定」ではありません。しかし、今後の訓練でどれくらいの体力が必要かを確認する重要なデータになります。

🏃‍♂️5. 3km走の洗礼

最もきついのは「3km走」です。多くの人がここで自分の体力不足を痛感します。
特に社会人や中高年の参加者は、学生時代以来走っていないという人も多く、1km地点で息が上がり、歩いてしまう人もいます。

私自身も走り始めてすぐに足の裏にマメができ、痛みと格闘しながら何とかゴールしました。もし事前に走る練習をしていなければ、ここで挫折しかねません。インソールは必須です。

👥6. 測定で目立つ人、目立たない人

この体力測定では、やはり「若い人」が圧倒的に有利です。20代の参加者は軽々と走り抜け、腕立ても30回以上こなす人がいます。一方、40〜50代の社会人は10回程度で腕がプルプル震えます。

しかし、ここで重要なのは「結果そのもの」ではなく「最後までやり抜く姿勢」です。途中で諦めると指導の目が厳しくなりますが、どんなに遅くてもゴールする姿勢を見せれば評価されます。

🩹7. 足のマメ・関節痛への対処

2日目で多くの人が直面するのが「足のマメ」と「膝の痛み」です。慣れないブーツで走るため、皮膚が擦れてマメができ、歩行が困難になるケースも珍しくありません。

🩹ここで役立つアイテム

私はテーピングを持参していたので、足の指に巻いて予防できました。持っていなかった人は、マメが破れて血がにじみ、後半の訓練で本当に辛そうでした。

📚8. 昼食と午後の座学

体力測定を終えると、昼食を挟んで午後は座学です。自衛官としての心構えや基本的な規律についての講義が行われます。体力測定で疲れ果てている中、眠気との戦いになります。

ここで居眠りをしてしまうと、即座に注意され、最悪の場合は連帯責任で全員腕立ての罰があります。眠気対策としては「昼食を食べすぎないこと」がコツです。

🌙9. 夜の振り返り

2日目の夜は、足や腕に筋肉痛を抱えながら布団に入ります。初日よりも疲れている分、意外とよく眠れる人も多いです。大部屋のいびきは依然として悩まされますが、耳栓があればぐっすり眠れるでしょう。

💡10. 2日目を乗り切るコツ

2日目成功のポイント

  • 起床から整列までのスピードを徹底する
  • 大声で返事、号令を徹底する
  • 3km走は完走を目標に(タイムは気にしない)
  • マメや筋肉痛の応急処置グッズを持参
  • 座学では眠気対策を意識する

まとめ

訓練2日目は「体力と規律の壁」に直面する1日です。基礎体力測定で自分の限界を知り、同時に「仲間と共にやり切る大切さ」も実感します。結果がどうであれ、諦めずに最後までやる姿勢こそが、自衛官として評価されるポイントです。