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51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ

第2回:入隊初日と部隊到着のリアル

最も緊張する入隊初日の流れと体験談を詳しく解説

予備自衛官補の訓練で最も緊張する瞬間のひとつが「入隊初日」です。部隊に到着した瞬間から、日常とはまるで別世界に放り込まれる感覚を味わいます。ここでは、私が経験した入隊初日の流れと、持っていって助かった物、逆に忘れて困った物などを体験談としてお伝えします。

🏰1. 集合場所の緊張感

初日は指定された駐屯地や集合場所に時間厳守で集まります。門をくぐった瞬間から、すでに自衛隊の空気。見慣れた街の風景が一気に遠ざかり、目の前に広がるのは迷彩服の隊員たちと整然と並ぶ建物。

「いよいよ始まるんだ」という緊張感が高まります。周囲には同じように不安げな顔をした受験者たち。年齢も性格もバラバラですが、どこかみんな落ち着かず、そわそわと時計を見たり書類を確認したりしています。

⚠️

ここで絶対にやってはいけないのが遅刻です。自衛隊の世界では「時間=信用」。遅刻はその人の信用をゼロにしてしまいます。電車の遅延や渋滞を考えて、最低でも30分前には到着しておくことを強くおすすめします。私は1時間前に到着しましたが、それくらい余裕があってちょうど良かったです。

📋2. 受付と持ち物検査

受付では、まず身分証や通知書を提示。その後、持ち物検査が行われます。禁止物を持ち込むと、その場で没収されるか、場合によっては厳しく注意されます。

🚫禁止されている代表例

  • 酒類・タバコ(成人でも不可)
  • ナイフなどの危険物
  • 大量の食料や嗜好品(必要最低限なら可)

一方で、持ち込んでおいて本当に助かった物もあります。

特にスマホ充電用の延長コード付きマルチタップは神アイテム。部屋のコンセントは少なく、10人で取り合いになるため、これがあるかないかで生活の快適さが全然違います。

🏠3. 大部屋生活の始まり

部屋に案内されると、まず驚くのが「大部屋生活」です。10人前後がひとつの部屋に割り当てられ、二段ベッドに寝泊まりします。プライベートはほとんどゼロ。

🛏️ベッドの位置取りが重要

  • 入口近くのベッド → 夜中にドアが開閉するたびに目が覚める
  • エアコン直撃の場所 → 体調を崩しやすい
  • ベストは「部屋の中央付近・上段」

そして最初の夜を迎えて気づくのがいびき問題です。必ず一人は「掃除機吸うてんのか」と思うほど爆音でいびきをかく人がいます。耳栓を持っていなければ、初日から一睡もできずに地獄を見ることになります。

👕4. 制服と装備の支給

初日には迷彩服、戦闘靴(ブーツ)、帽子などが支給されます。ここで重要なのは「サイズ合わせ」です。

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特にブーツは、足に合っていないとすぐにマメができて歩けなくなります。試着の際は、遠慮せずにサイズ交換をお願いしましょう。実際に歩いてみて、少し余裕を持たせたサイズが理想です。

また、迷彩服のボタンは意外と取れやすいので、裁縫セットを持っておくと安心。私は初日の夜にすでに1つ取れて、慌てて縫い直しました。

🎯5. 最初の整列と号令

部屋に荷物を置いた後は、すぐに集合。ここで初めて「整列」「姿勢の取り方」「敬礼の仕方」を教わります。

最初は誰もがぎこちなく、声も小さいのですが、指導の隊員からは「もっと大きな声で!」と叱咤されます。恥ずかしがらずに大声を出すことがポイント。初日から声を張ることに慣れておくと、後の訓練が楽になります。

🍽️6. 食事のルール

夕食は食堂で全員揃って取ります。メニューはご飯、味噌汁、肉料理、漬物といったシンプルな内容。量は意外と多めですが、食べるスピードが遅いと注意されることもあります。

また、食器の持ち方や片付け方にもルールがあり、慣れないうちは戸惑います。周囲を観察して真似することが最も大切です。

🌙7. 初日の夜の洗礼

消灯は22時。消灯ラッパが鳴ると部屋の電気が一斉に消えます。スマホの使用は基本的に制限されるため、夜はただ布団の中で翌日のことを考えるしかありません。

しかし、多くの人が初日は緊張や環境の違いで眠れません。さらに大部屋のいびきが重なり、熟睡できる人はほとんどいないでしょう。私も初日はほぼ徹夜状態で、翌朝のラッパに起こされました。

神経質な方は、睡眠導入薬を服薬したいところです。

💡8. 初日を乗り切るコツ

初日成功のポイント

  • 到着は余裕を持って(遅刻は厳禁)
  • 禁止物を持ち込まない(事前に確認必須)
  • 耳栓・延長コード・裁縫セットを用意
  • 大声を出すことを恥ずかしがらない
  • 初日は眠れなくても当たり前と割り切る

まとめ

入隊初日は「非日常の洗礼」を受ける1日です。受付から大部屋生活、装備の支給、食事ルールまで、何もかもがこれまでの生活と違います。戸惑いも多いですが、それは全員同じ。大切なのは「周囲に合わせ、柔軟に対応する」ことです。