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51歳で予備自衛官補になった体験談シリーズ

第1回:入隊前の準備と心構え

実体験をもとに、予備自衛官補訓練への準備について詳しく解説

予備自衛官補としての訓練は、体験談を語る人が少ないため、事前にどのような準備をすべきか不安を感じる方も多いと思います。特に社会人や中高年の方にとっては、単に「若い頃の合宿」では済まない厳しさがあります。ここでは、私自身の経験をもとに入隊前の準備と心構えをお伝えします。

🎯1. 訓練の現実を知ることが第一歩

予備自衛官補の訓練は、数週間とはいえ完全に軍隊生活です。起床時間は6時、消灯は22時。1日のスケジュールは分単位で決められ、私語や勝手な行動は許されません。

多くの人が誤解しがちなのは「予備だから少し緩いだろう」という期待です。しかし、実際は正規の自衛官と同じ基準で規律を求められます。号令の遅れや整列の乱れがあると、全員が連帯責任でやり直しです。

こうした厳しさを前提に、入隊前から心の準備をしておく必要があります。

💪2. 体力づくりは必須

最初の壁は「基礎体力」です。毎日の訓練にはランニング、腕立て伏せ、腹筋、行進などが含まれます。

私は入隊前にほとんど運動をしていなかったため、最初の1週間で足にマメができ、膝に痛みを覚えました。結果的に湿布やテーピングで何とか乗り切りましたが、事前に準備していなければリタイアの可能性もあったでしょう。

最低限、次のことは入隊前に慣れておくと安心です

  • 2kmを止まらずに走れる持久力
  • 腕立て伏せ10回、腹筋20回できる筋力
  • 階段を駆け上がっても息が切れにくい心肺機能

「体力がないから不安」と思う方は、1日10分のジョギングやスクワットから始めても十分効果があります。

🏥3. 健康管理と生活リズム

訓練は過酷ですから、体調を崩せば即離脱です。実際に、体調不良で途中退所となった仲間もいました。

📋入隊前の健康管理としては:

  • 定期的な睡眠(早寝早起きの習慣をつける)
  • 暴飲暴食を避けて胃腸を整える
  • 健康診断で異常があれば治療しておく
⚠️

特に持病や腰痛がある方は、無理をせず医師に相談しておくことを強くおすすめします。

🎒4. 訓練に必要な持ち物

自衛隊からは迷彩服・ブーツ・帽子など最低限の装備は支給されます。しかし、日用品は各自で用意しなければなりません。

📦特に重要なのは以下のアイテムです

  • 耳栓(いびき対策。これがないと地獄です)
  • 常備薬(頭痛薬・整腸剤・湿布など)
  • テーピング(足のマメや関節痛の応急処置に必須)
  • 裁縫セット(迷彩服のボタンが取れやすい)
  • 小型の懐中電灯(夜間の移動に便利)

特に耳栓は「持ってきて良かった物ランキング」第1位です。大部屋生活では必ず大音量のいびきをかく人がいて、耳栓がないと一睡もできません。実際、耳栓を持参していなかった仲間は連日寝不足でフラフラになっていました。

🧠5. 心構え:「合理性を求めない」

社会人経験者にありがちな失敗は「なんでこんな非効率なやり方をしているんだ」と疑問を持ってしまうことです。確かに、自衛隊の規律やルールは民間の感覚からすれば理不尽に見えることが多いです。

しかし、自衛隊の目的は「効率」ではなく「規律と連帯」を育てることです。効率的かどうかではなく、全員が同じ動きを揃えて徹底することに意味があります。

したがって、「なぜ?」と考えるよりも「どう従うか」に意識を切り替えることが、精神的に楽に過ごすコツです。

👨‍👩‍👧‍👦6. 家族・職場への準備

数週間も部隊に入ってしまうと、外部との連絡は制限されます。特に家族がいる方は、事前に以下のことを準備しましょう。

  • 家事や介護などの役割分担を決めておく
  • 緊急連絡先を職場や家族に伝えておく
  • 郵便や宅配の一時停止を手配する

「留守中の生活をどうするか」をしっかり整えておけば、安心して訓練に集中できます。

7. まとめ:準備がすべてを左右する

入隊前の準備を怠ると、訓練中に後悔します。体力・健康・持ち物・心構え。これらを整えるだけで、過酷な数週間を「成長の時間」に変えることができます。